3G、4G、LTEの違い

新しいスマホが気になってちょっと調べてみたら、「4G」や「LTE」など意味が分からない言葉だらけ。いまさら人には聞けないし…。そんな方でも、すっきり理解できるように、モバイル通信の用語を分かりやすく解説します。

進化を続けるモバイル通信

近頃、スマホ(スマートフォン)のCMなどで、「3G」(スリージー)、「4G」(フォージー)、「LTE」(エルティーイー)といった言葉をよく目にするようになりました。これらは、実はすべてモバイル通信の規格を表しています。 モバイル通信でやり取りする情報は、時代とともに音声からデータ中心に変わってきています。特に最近はスマホでSNSを利用したり、写真を送受信する機会が増え、『より高速な』通信規格が求められています。こうした使い方の変化に対応するため、次々に高速な通信規格が登場しているわけです。 それぞれの規格の意味を知っておけば、おおよその通信速度が判断でき、スマホを購入する際にも目安になります。

そもそも「G」ってどういう意味?

まずは、3Gや4Gで使われている「G」という言葉の意味から。これは、英語の「Generation(世代)」の頭文字です。

たとえば、3Gというのは「第3世代」の通信規格であることを意味しています。 あまり耳慣れないかも知れませんが、かつては1G(第1世代)、2G(第2世代)のモバイル通信規格もありました。1Gはアナログ方式の通信規格、2Gはデジタル方式になってメールやネットの利用に対応した規格。2000年代に入ってからは、より高速化された3Gが主流に。3Gに該当するサービス例として、NTTドコモの「FOMA」(2001年10月サービス開始)があります。 そして今、スマホの爆発的な普及によって注目されているのが、次世代の高速通信規格である4Gです。こんな風に「数字+G」という言葉を見かけたら、数が大きいほどスピードが速いとイメージしておけばいいでしょう。

「LTE」は「4G」の一種

3Gの後継として登場した、高速な通信規格が4G。では「LTE」とは一体?

そもそも4Gは、複数の通信規格を総称した呼び名であり、LTEはそのうちの一種です。4Gの中でも、LTEは最近特に勢いがある通信規格といえます。国内の大手携帯電話会社は、独自の名称でLTE対応のサービスを提供しています(NTTドコモ「Xi」(クロッシィ)、ソフトバンクモバイル「SoftBank 4G LTE」など)。 なお、LTEは、以前は3Gと4Gの橋渡し的な通信規格「3.9G」に位置付けられていました。しかし、世界的にLTEを4Gと称する通信事業者が増えてきたため、最近では4Gの一種ととらえる方が一般的になっています。 LTEのほかには、「WiMAX」が4G(3.9G)に相当する通信規格です。 ※LTE:Long Term Evolutionの略語。日本語では“長期的進化”のような意味を持ちます。

3Gから何がどう変わった?

いま3G対応のスマホや携帯電話を使っている人は、「4Gで何が変わる?」のかが気になるはず。ここでは、4Gの代表格であるLTEを例に比べてみます。

まずスピードですが、LTEは下り75Mbps〜100Mbps程度をうたうサービスが多く、LTE対応スマホを利用すれば、3Gよりも高速な通信が期待できます。動画を視聴したり、アプリをダウンロードするといったシーンにぴったりです。ただし、1ヵ月に通信するパケット量が一定量(7GBなど)を超えると、通信速度が128kbps程度に制約されることがあるため、通信のしすぎには注意が必要です。 3Gと同様に月々のパケット定額料が設けられており、料金は同等あるいは若干高額です。とはいえ、LTEではその通信速度を活かし「テザリング」と呼ばれる、うれしい機能が使える点にも注目です。これは、スマホをモデム代わりにして、外でもPCやゲーム機などをインターネットに接続できる便利な機能です。

 

近くの無線LANルーターと通信する「Wi-Fi」

3G・4G・LTEと、これもよく耳にする用語「Wi-Fi」(ワイファイ)とはどう違うのでしょう? スマホにはWi-Fiで通信する機能が標準搭載されていますが、最も分かりやすい相違点は、その通信距離の違いです。3G・4G・LTEは遠くにある基地局と通信するのに対し、Wi-Fiは数メートル〜数十メートル圏内にある無線LANルーターと通信します。 そのため、Wi-Fiで通信するには無線LANルーターがある自宅や会社、あるいは公衆無線LANサービスに対応したカフェや駅にいる必要があります。 このように使える場所は限定されますが、Wi-Fiの最大の魅力は安定した高速性。無線部分は最大数百Mbps対応の規格も出てきており、無線LANルーターが光回線につながっていれば、快適なネット接続ができます。

「プラチナバンド」は周波数の帯域

ここまでは分かった!という方のために、もう一つ「プラチナバンド」という言葉もご紹介しましょう。実は、プラチナバンドはこれまでお話しした3G・4G・LTEやWi-Fiとはまったく違って、モバイル通信で利用する、“特定の周波数帯域の電波”を意味しています。 携帯電話・スマホでは、主に1.5〜2GHz(ギガヘルツ)の帯域の電波が使われますが、プラチナバンドはそれよりも低い700〜900MHz(メガヘルツ)の帯域の電波を利用できます。遠くまで電波が届きやすく、建物などの障害物に遮られにくい特性があります。このことから、“高い価値のある周波数帯域”という意味合いで、プラチナバンドと呼ばれています。 なお、国内の携帯電話会社の上位3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル)は、一部のサービスでプラチナバンドの電波を使ったサービス提供を行っています。 3G・4G・LTEを中心に、モバイル通信に関する用語をまとめてご説明しました。このように、一つひとつでは分かりにくい言葉も、それぞれの特徴を比べてみると、意外に覚えやすいですよ。